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志学会

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志学会は埼玉県北葛飾郡杉戸町に所在する通信制の高校である。同校より学園祭の知らせが封書で届いた。行ける日程ではなかったが、せっかく郵便で送ってくれたのだから、ブログで拡散するのが、せめてもの義理である。

 

『志音祭2016 音楽でつむぐ未来への~キズナ~』
平成28年11月12日 土曜日
10:30~15:30

詳細はコチラ

 

なぜ同校から直接封書が届いたか、つまり、なぜ同校が拙の連絡先を知っていたかといえば、理由は簡単である。以前同校に資料請求をしたことがあったからである。

同校の存在を知ったのは今年(2016年)になってからであった。かつて埼玉県の北東部で働いていたことがあり、そのときはすでに教育関係に従事していたわけだが、同校のことは全く知らなかった。かつての職場への微かな郷愁の念が、同校への興味関心の源泉となっている、とは言える。

しかし尚、同校が興味をそそるのは、同校が現在当ブログが関心を寄せている通信制高校であること、しかもスキャンダラスな通信制高校だからである。

同校が2002年に通信制高校として出発したとき、彰華学園という名前であった。その後2009年に真英舎学院と名前を変え、2011年に現校名となる。この間運営法人の名称あるいは法人そのものが変更され、法人幹部も短期間にコロコロと変わっている。真英舎時代には教職員への給与未払いで学校が一時閉鎖され、また裁判沙汰にもなっている。

同じく通信制高校であるウィッツ青山学園の一連の不祥事が示すように、通信制高校は現在、社会問題を大きくはらんでいると考えられる。それは大人の側、つまり経営者の不透明な経営や、教員の不適切な教育のみならず、生徒の側の不登校や中退なども含む。

通信制高校の諸問題を考える糸口として志学会を観察することが、当ブログなりの切り口である。

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校名変更:聖母被昇天学院、大阪聖母女学院(ともに大阪)

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4月15日付朝日新聞(地域版)に本校の記事が掲載されました。|聖母被昇天学院中学校高等学校

2017年度4月より大阪府に所在するキリスト教系女子校2校が校名変更し、同時に共学化する。同箕面市聖母被昇天学院が「アサンプション国際」に、同寝屋川市の大阪聖母女学院が「香里ヌヴェール学院」に、校名が変わる。

両校が同時に校名を変更するその背景には、両校を運営する学校法人同士に繋がりがあるからのようだが、本稿ではそこまでは立ち入らない。

創立者にゆかりのある地名だろうが、旧名の英訳だろうが、長らく使い続けてきた伝統ある校名をカタカナ名へと乗り捨てるのは、滑稽にすら映る。「被昇天」の訳語がassumptionであると筆者が知らなかったのは、英語教師として不勉強だろうか。日本のキリスト教関係者なら全員がピンとくるのだろうか。

少子化の昨今、共学化は学校経営の戦略として正しい。そのためにこれまで培ってきた別学教育の理念を大なり小なり変更することは避けられない。しかし変更しすぎることは、世間に疑念を呼び起こしうる。

本稿ではとりわけ聖母被昇天学院にフォーカスする。今年(2016)度より同中高の校長に江川昭夫氏が就任した。江川氏は少なくとも2014年度までは東京都の佼成学園女子の教頭であった。佼成学園は仏教系の学校である。

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グローバル教育の最先端へ…指定校の決意 : KODOMO : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

一方、前任の校長は平沢真人氏で、2011年から2015年度末まで校長職にあったようだ。また同氏は2006年度までは同じくキリスト教系の平安女学院に勤務し(コチラを参照)、中高副校長を務めていたこともわかる。

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聖母被昇天学院における大転換の試みには、恐らく慢性的な定員割れを解決することが意図されていると考えられる。同法人の2014年度事業報告書(PDFファイル)によれば、同年度に取り組んだ重点施策の一つに「入学者の確保」が挙げられている(p.8)。

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受験生や入学生が少ない学校は、時代や地域に必要とされてはいないと判断せざるをえない。それゆえそのような学校を廃校にするということも一つのあり得る選択肢であるが、どんな学校でもまずは生き残りをかけて「改革」を試みるのが常道だ。

だが、どんな学校にも創立者の理念があり、地域の少なからぬ支援のもと今まで運営され、そのような学校の教育に共感する生徒が受験し、入学していることを忘れてはならない。

女子校を共学校にする。前任校が仏教系学校の教員がキリスト教系学校で校長になる。新しい校名には恐らく大多数の日本人にはなじみのない妙なカタカナ語がくっついている。この学校はこの度の「改革」について在校生、卒業生、保護者、あるいは学校を支えてきた地域にたいして十分な説明をしなければならないだろう。

同校の妙な校名変更に接して思い起こされるのは、旧名「淑徳学園」から改称した淑徳SC(東京都)である。元祖キラキラネーム校とでも呼べるようなこの学校は、中学への入学者が1ケタという危機的な定員割れを続けているらしい。

高等専修学校から高等学校への転換例――桜林高(千葉)

本校は私学教員の待遇研究とは関係がない。

高等専修学校は、しばしば「高専」と略される5年制の「高等専門学校」とは区別されなければならない。中学卒業後の進学先という点では同じであるが、根拠とする学校教育法の条項が異なる。

後者の高専が同法第1章第1条を根拠とするのにたいし、前者の高等専修学校は同法第11章第124条によって規定されている。すなわち高専はいわゆる「1条校」である。

以下に、同法第1章第1条および第11章第124条を引用する。

第一章 総則

第一条  この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。

第十一章 専修学校

第百二十四条  第一条に掲げるもの以外の教育施設で、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として次の各号に該当する組織的な教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び我が国に居住する外国人を専ら対象とするものを除く。)は、専修学校とする。
 修業年限が一年以上であること。
 授業時数が文部科学大臣の定める授業時数以上であること。
 教育を受ける者が常時四十人以上であること。

 学校教育法

学校の細かい設置基準は、入学する生徒や入職する教職員には差し当たり関係がない。他方で、高等専修学校文科省に認可されれば、生徒に大学入学資格を付与することができる。従って生徒の側から見れば、高専や高等学校(高校)と、高等専修学校との違いはますます小さく、わかりにくく見える。

その違いの説明しにくさは、武蔵野東高等専修学校の校長の嘆きにも表れている。

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新着情報個別表示ページ

校長がこのように嘆いた2006年から、2016年の現在に至るまで武蔵野東が高等学校ではなく高等専修学校のままであり続けるのは、高等学校への転換においてデメリットがあるか、あるいはその転換へのハードルが高すぎるかのどちらか、あるいはその両方だからであろう。

仄聞によれば、高等専修学校から高等学校への改組例は極めて少ないように思われる。そのなかで千葉市の桜林高は、高等専修学校から改組している。

 

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campus.chibanippo.co.jp

 

1989(平成1)年に金剛学園高等専修学校として開校。2000(平成12)年に高等学校への改組、設置計画が認可され、翌2001(平成13)年に昼間定時制の「金剛学園高等学校」として開校する。2005(平成17)年に現校名へと改称し、翌2006(平成18)年に全日制を開設、定時制を廃止する。

同校が高等専修学校から高等学校へ転換した理由は定かでない。

高田(三重)

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三重県津市に所在する中高一貫校インターエデュによれば、2016年度大学入試では東大12人、京大8人の合格者を出す進学校。三重県四日市高が東大10人、京大7人なので(コチラを参照)、県内では1番の進学校と呼んでよいだろうか。

でも学部新卒の月額21万円は安い。

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福井工業大学附属福井

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福井市に所在する中高一貫校。40歳のモデル賃金は月額約35万円というが、要は新卒でなく即戦力を中途で採りたいから、このモデルを示しているのだろうか。

このモデルで年収を計算してみる。

(347,300+5,400+13,892)×12+347,300×4.2

=4,399,104+1,458,660

=5,857,764

40歳で約600万円か。恐らく私立校の常識としては、決して高い数字ではないと思う。でも同じ福井市にある啓新よりは間違いなくいい待遇だろう。

啓新高

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福井市に所在する高校。(恐らく)学部卒初任給月額約17万円とは安すぎる。もしかして当ブログで紹介してきたなかで最安ではないか。賞与は3か月というが、これは専任教諭になったら増えるのだろうか。

それにしても。

ま た ケ イ シ ン か 。

旧名を福井女子高といい、1998年に共学化して現在の校名となる。

個人的には、校名を聞いて所在地がわからないようなキラキラネームの学校に入学したいとも、また入職したいとも思わない。ベタに地名を冠した名前のほうがいいと思うのだが。

本校ウェブサイトにて、面白い動画を発見したので、紹介しておく(コチラ)。ずいぶんと元気のいい校長だこと。湘南美容クリニックのドクターみたいだな。「好きな言葉は『挑戦』です」とか言い出しそうだ。

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青翔開智

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鳥取市に所在する中高一貫校四天王寺学園と同じく2014年に開校という、極めて新しい学校だ。また鳥取県東部においては初めての中高一貫校とのこと。

 ま た 開 智 か 。

 青翔にしても開智にしても、所在地と全く関係がなさそうだ。地域の人材育成を担うはずの中高校が地元には興味がないように見える。経営法人の「鶏鳴」という長く使われてきた名前にも、経営者たちは愛着がなさそうだ。

新設校、あるいは変更校名の「キラキラネーム」も考察してみると面白いかもしれないな。

学部新卒の月額約20万円はいいとして、院新卒やそれどころか博士号取得者(最も若くても28歳だ)の月額22万円は安すぎてありえない。ガキの遣いじゃあるまいし。

山口県宇部市の慶進を紹介したときにも書いたが、島根県だの鳥取県だの、中国地方以外の人間からすればどこにあるのかわからない(さすがに山口県どこにあるかはわかるか、九州と本州との連絡口だ)ような県の学校がことほど斯様に安い給料しか出せないようでは、高学歴者、特に高偏差値大学ないしその大学院を出た人材が来るはずがない。

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 もう1つ面白いと思ったのが、一次試験の「スカイプ面接」だ。ICT教育に力を入れているという同校らしい方法だが、要は遠方からも応募者に受験してもらいたいということなのだろう(「学校近くにお住まいの場合〔中略〕ご来校の上、面接を受けていただきます」と書いている。)

 遠方から優秀な教員を引っ張りたかったら、給料の額を増やすしかない。

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