早稲田大学本庄高等学院

f:id:RYUSUKE:20170528123025p:plain

期せずして、早大系列校の紹介が3校並ぶことになってしまっている。

埼玉県本庄市に所在する共学校。早実早稲中高とは異なり、学校法人早稲田大学が直接運営する、早大の附属校である。同大の附属校には他に、早稲田大学高等学院・中等部(東京都練馬区)がある。

修士課程修了者35歳の教諭の給与月額は437,800円。賞与は年2回。

私立中高の業界では、基本給の月額として年齢×1万円の額が出ていると、その学校はまあまあ給料がよいと言われる。35歳の人には35万円、という具合である。

早大本庄はこの基準よりも87,800円高いことになる。

早稲田

f:id:RYUSUKE:20170527225621p:plain

東京都新宿区に所在する完全中高一貫男子校。近傍に早稲田大学があり(徒歩1~2分)、また校名に早稲田を冠してはいるが、同大の附属校ではない。早実と同じく系属校を自称し、経営法人は別である。創立には同大関係者が関わっている。

1895年に早稲田中学校として創立したが、東京専門学校が早稲田大学に改称したのは1902年なので、「早稲田」を冠したのは本校が先である。まあ早稲田は単なる地名にすぎないのだが。

インターエデュによれば、2017年度大学入試における各大学合格者数は東大30人(全国20位)、国公立大医・医17人などであり、進学校としての評価は高い。この高校の成績トップ層はエスカレーターで早大なんかに入ることはないだろう。

24歳例で月額307,450円! 24歳ということは、学部新卒2~3年目ということか。

賞与は初年度5か月分、2年目以降は6か月分になる。

初年度:307,450×17(か月)=5,226,650円

2年目:307,450×18(か月)=5,534,100円

拙の現任校からかつて本校に転職した教員がいるという。又聞きだが、給料2倍、勤務時間半分、だという。いくらか話は盛られていると思うが、納得。

早稲田実業

f:id:RYUSUKE:20170521074338p:plain

東京都国分寺市に所在する小中高一貫校。いわゆる「早実」。本件は中高の教員募集である。

「早稲田」と校名に冠し、早稲田大へのエスカレーター進学者も多く(って言うか希望すればほぼ全員)、創立者も同じ大隈重信であるが、運営法人は異なっている。早稲田大学は学校法人早稲田大学、本校は学校法人早稲田実業学校である。ゆえに本校は早大の附属校ではなく、系属校を自称している。

もっとも、学校法人早稲田大学の理事長(=「総長」)は学校法人早稲田実業学校の理事長を兼ねるのが慣わしだそうな。

ゆえに実態から言っても、受験生の印象から言っても、本校は「早大エスカレーターで行ける」学校である。

学部新卒初任給は228,950円。早大系列の学校は給料がいいという評判だが、初任給はその割ではない。

淳心学院

f:id:RYUSUKE:20170514065515p:plain

兵庫県姫路市に所在するキリスト教系完全中高一貫男子校である。

しがくドットネットによれば、2016年4月現在の生徒数は、中学407人、高校379人。スタディ中学受験によれば1学年3クラスなので、全校で18クラスだろうか。小人数、小規模校であると言える。

インターエデュによれば、2017年度大学入試における各大学合格者数は東大1、京大1(うち現役1)、国公立医・医は6(うち現役2)である。

完全一貫でこの程度の実績ということは、イイトコの子息ばかりが入学する典型的なお坊ちゃん学校なんだろうな。

大卒初任給の月額は251,838円。あくまでも印象論だが、キリスト教系の学校は給料がよいところが多いように思う。

またこの払いの良さが、経営基盤の良さを窺わせる。財務状況が安定しているがゆえに、生徒数が少なくても大丈夫なのであろう。

もっとも、財務が悪くなってきていても一度上げた人件費を下げられず、経営を圧迫している、なんてこともありえたりして。

攻玉社

f:id:RYUSUKE:20170514094347p:plainf:id:RYUSUKE:20170514093505p:plain

東京都品川区に所在する完全中高一貫男子校。前身を辿れば1863年創立、2013年に150周年を迎えた、日本屈指の伝統校である。

インターエデュによれば、2017年度大学入試における合格者数は東大14(現役12)人、京大1人、国公立医・医は11(現役9)人。進学校としてはなかなかの実績と言える。

高橋雄・昌平中学校副校長は、本校中学教頭、本郷中高校長を経て、現職にある。

学部卒初任給は月額250,100円という。結構いいな。歴史が長いということはそれだけ卒業生も多いわけで、すなわち寄付金の原資もたくさんいるというわけだ。

金沢高

f:id:RYUSUKE:20170514100740p:plainf:id:RYUSUKE:20170514100749p:plain

石川県金沢市に所在する高校。

甲子園に春9回、夏13回出場している野球部が有名。21世紀枠が初めて導入された2001年春のセンバツでは、同枠によって春夏通じて甲子園初出場の安積(福島)を5対1で破っている(同校にとっては7回目の出場)。

f:id:RYUSUKE:20170514103700p:plain

給与は石川県の高校教育職に準じるということだが、その石川県の学部卒初任給は198,800円だそうだ。はっきり言って安い。

地歴公民科の専任教員の募集に際して「硬式野球経験者を優遇」とか明言してしまっている。この一言が、同校が野球部中心に回っていることを窺わせる。 いっそ「教員免許も一応持っている野球指導者」を募集してはどうか。

地歴公民、特に公民の教員免許は法、経済、経営、商など多くの社会科学系学部で取得することができる。

例えば、プロ野球入り前に高校公民の教員免許を取得した東浜巨沖縄尚学高、現・福岡ソフトバンクホークス)の出身大学と学部学科は、亜細亜大学経営学経営学科だ。

あくまでも印象論だが、高校野球での有力選手が大学に進学する際の受け皿となるのは、これらの社会科学系学部であることが多いように思われる。つまり、大学の野球部員が最も取得しやすい教員免許は高校公民ではないか。

やや暴論めいてしまうが、地歴公民科と高校野球は親和性が非常に、ひょっとすると保健体育科よりも、高い気がする。

《メモ》

1. 大卒のプロ野球選手の出身学部

2. 高校野球指導者の担当教科

これらを調べてみると面白い結果が現れるように思われるが、時間がかかるから今すぐにはできないな。

静岡県西遠女子学園

f:id:RYUSUKE:20170507111345p:plainf:id:RYUSUKE:20170507111353p:plain

静岡県浜松市に所在する女子中高一貫校

西遠は「せいえん」と読む。静岡県の大井川より西側を遠州(えんしゅう)と呼ぶが、所在地の浜松市はそのさらに西側であることから、地元では同地はそう呼ばれるのだろう。

校名に静岡県が冠されているが、私立校である。地元ではお嬢様学校として知られているようだ。

学部新卒の初年度月額は(恐らく基本給で)193,700円、特別手当40,000円、計237,000円。賞与は初年度1.8か月分である。よって初年度の年収は、

237,000(円)×12(か月)+193,700(円)×1.8(か月)=3,735,020(円)

基本給、初年度賞与分、ともに安いと言わざるを得ない。ただし賞与分まで公開していることは評価したい。