名古屋国際

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愛知県名古屋市にある中高一貫校。今回は雇用条件のハナシではない(事実、本校もお決まりの「本校規定による」としか書いていない)。応募資格に「国際バカロレア機構(IB)Professional Development 修了者優遇」とあり、気になったので調べてみた。

簡単に言うと「国際バカロレア」は国際的な大学入学資格の一つであり、本校はそれを授与する課程の一つである「ディプロマ・プログラム」(DP、大学進学志望者向けプログラム、の意だろう)を提供している。

このプログラムに携わる教員は、本校のウェブサイトによれば、

 

IBDPに携わる教員には、IBOが実施する科目別ワークショップやコーディネーター向けワークショップなどの教員研修(Professional Development)に参加することが求められます。

 

という。

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なお本校のウェブサイトには、日本国内の国際バカロレア認定校は16校、うち学校教育法の一条校は5校のみとある。ただし本校執筆時点で37校になっているようで、どの学校が一条校か否かは把握していないが、もちろんそれに含まれる一条校の数も5校のままに留まってはいないだろう(コチラを参照)。

本校ウェブサイトを読んでいて引っかかるのは、アルファベットの略号が非常に多いことである。そのことは、国際バカロレアにかんする多くの術語が未翻訳であり、すなわち国際バカロレアの制度自体が日本に(恐らく全く)浸透していないことを表している。

他方で、「国際」という単語にあまり根拠のない魅力を感じる受験生やその保護者はかなり多いだろうし、そういった手合いにとってアルファベットの略号ばかりの説明は大層美しく映るに違いない。

教育業界における「国際」や、最近の「アクティヴ・ラーニング」は人気のトレンドであり、教育熱はあるが蒙昧なご家庭の耳目をよく引ける。だがその美名のもとに何をやっているかよくわからない。それらの言葉を謳う学校が、人気のワードにただ引きづられているだけかどうかは、外来の術語を日本語に移す努力もせずにそのまま唯々諾々と使っているかどうかで、判断されうるだろう。