昌平中学 (3)

前回のエントリに引き続き、併設の高校での東大合格が中学の受験者数や入学者数に影響するという説を検証する。

以下は、昌平中学の受験データである。

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2016年度の受験者数が前年比で200%超、入学者数(73人)も過去最高となったのは、3年ぶりに高校で東大合格者(1人)が出たからだと思われた。けれども2017年度入試において、受験生たちは東大合格3人という数字を目の当たりにしているはずだが、受験者数(461人)は前年(466人)とほとんど変わりがない。

併設高校の東大合格者については、それがないと中学の人気が落ちるとは言えそうだが、毎年出たからと言って中学の人気も右肩上がりになる、とは言えなそうだ。

不思議なのは、2016年度において合格者を絞っている――合格率42.3%という数字は、今まで一番低い――のに、73人という入学者が残ったことである。歩留まりは37.1%という過去最高に高い数字である。

他方、次年(2017年)度は合格率56%である。仮に2016年度と歩留まりが同じであるならば、96人程度が入学生として残ることになる(258人×37.1%≒96人)。

意外に思われるのは、歩留まりが毎年伸びていることである。

合格ラインを何点にし、何人合格者を出すかのさじ加減は、ひとえに入試担当者の判断によるが、それはもはや職人芸、カンの世界だと聞いたことがある。各塾が行う模試での志望校順位だとか、入試後のアンケートなどから判断するらしいが、受験生のキモチなど簡単に読めたものではないだろう。

昌平中にかんして言えば、これまで一度も定員(80人)を満たしたことがないので、入学させたい学力を持った生徒だけが残るように合格ラインを設定しているとは思われる。そのうえで歩留まりが伸び続けているのだから、次年度も入学者数が増えるかもしれない。

ところで、併設高校での東大合格と中学の人気との相関関係については、開智未来中学を例に見てみよう。同校は埼玉県加須市に所在する中高一貫校であるが、昌平とも地理的にも難易度的にも近く、競合していると言ってよい。

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2015年度に初めて併設高校で東大合格者が出て、その翌年(2016年)度の受験者数は前年比124.6%となった。けれども2017年度は15年度の水準に戻っている。

開智未来を見てもわかるように、東大合格者が出ないと中学の人気は落ちるが、出ても人気が上がり続けるわけではないようだ。

一貫校にとって毎年1、2人程度の東大合格は最低限の条件なのかもしれない。

ただし前回も述べたように、その東大合格者は一貫生ではなく、高入生かもしれない。高入生の実績に憧れてその中学に入ることは果たして賢明であろうか。その意味では、一貫1期生から東大合格者を出した開智未来のほうが、東大志望の中学受験生には希望を与えるだろう。

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