校名に見る私立校の思惑 (2) ――帝京大学グループの場合

第89回選抜高等学校野球大会(2017年、センバツ)には愛媛県大洲市帝京第五高校も出場していた。

ちなみに帝京第三高校は山梨県北杜市に所在する。ところが不思議なことに、帝京大学帝京科学大学帝京平成大学などの帝京大学グループには、「第一高校」「第二高校」「第四高校」は存在せず、また過去に存在した形跡もない。

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調べる過程で頭が混乱した。

「第一」「第二」「第四」がない理由はもはや確認しようもないし、そもそもなぜ第三(帝京学園)と第五(帝京科学大学)の運営法人も違うのかも理由は不明だ。

帝京冨士(とみす)は全寮制らしいから、同じ市内でも第五とは受験者層は重ならないかもしれない。しかし帝京大学高校帝京八王子高校も同じ八王子市内にある。生徒募集のときにパイを食い合いはしないのだろうか。

結論として辿り着いた推測は、恐らくこのグループにおいて、帝京大学帝京学園帝京科学大学、冲永学園(と、これらに加えて帝京平成大学)の各法人は、ほぼ一体として運営されている、ということだ。もっとも、そうすることによるメリットもデメリットも今のところわからない。

ただ校名のつけ方や設置場所を見る限り、何やら無秩序な運営をしている印象を受ける。東海大(や日大)のように附属校を地域密着にして生徒を大学へと吸い上げようというわけではなさそうだ。

ウェブサイトを見ていると進学実績を強調したいようにも見えるので、その点では地域を捨て去り「帝京グループ」という拡がりのイメージを持ちたいのかもしれない。そのとき(特に難関の)大学進学において「帝京」という名前がポジティヴなイメージを持つ助けになるかは疑問であるが。