智学館中教 (2)

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▲智学館中教の遠景。ウィキペディアより。

智学館中教の募集停止の案内(コチラを参照)

またしても、いささか旧聞に属するが(完全にスルーしていた)、茨城県水戸市に所在する完全中高一貫校中等教育学校)が、2023年度以降の生徒募集を停止した。この決定は2021年の5月であった。この生徒募集停止により、本校は2027年度をもって休止することが確定的となった。

遡ること2018年、すでに6年前に拙は本校の受験生が少ないことを指摘していた。すなわち、中高一貫校なら高校募集のみに切り替えられたであろうが、本校は中等教育学校すなわち完全一貫校であるから、いきおい高校単独化もできないのであろう。

2008年に開校し、2022年までの生徒募集というから、ほんの15学年、20年間の教育活動で歴史を閉じることになる。やはり、長期的事業展望を持った開校ではなかったと言わざるを得ない。

ところで、現在本校に勤務している教職員はどうなるのであろうか。運営法人である常磐大学は大学、短大、高校も運営していることから、そちらに移籍するのだろうか。

昌平 (6): 最近の不祥事

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昌平中高の外観(Wikipediaより拝借)

埼玉県北葛飾郡杉戸町に所在する同高校のサッカー部が、令和6年度(2024年度)全国高校総体(インターハイ)で初優勝した。

いい機会なので(?)前回の、同校の過去の不祥事に引き続き、最近の不祥事にも触れておこう。

非常勤講師にWi-Fiも校務パソコンも使わせない

note.com

【魚拓】【#昌平学園】非常勤講師のWi-Fi自腹負担改善や無期転換権の周知などを認めさせました!|総合サポートユニオン

本校に務める英語科非常勤講師A氏が「私学教員ユニオン」に加入し、同校運営法人・昌平学園と団体交渉を続けている。交渉内容は多岐に亘る(カッコ内は現時点での結論。◎はA氏個人にかかわる交渉内容)。

  • ◎今年度(2024年度)からの無期雇用転換(妥結)
  • ◎3年前の右腕の負傷の労災申請を認めろ(時効につき却下)
  • 春闘要求」として非正規教員の10パーセント賃上げ(1パーセント上昇に留まる)
  • タイムカードを導入し、労務管理をする(24年4月より専任教職員には導入)
  • 休憩室の設置など休憩未取得の改善
  • 非常勤講師への就業規則の周知
  • 非常勤講師のWi-Fi環境整備とパソコンの貸与

最後の「非常勤講師のWi-Fi環境整備とパソコンの貸与」については、団交で挙げることではないように思われる。専任教職員には使わせているらしいWi-Fiと校務パソコンを、非常勤講師にも使わせればいいだけである。本校が気が利かないのであれば、このA氏が英語科主任か誰か担当管理職かにそれらを使わせろと相談すればいいだけである。つまり「内々」で済ませられる話であって、わざわざ外部の団体を噛ませて労組の団交に上すべき話題ではなかったはずである。

要は、本校のガバナンスは相変わらずイマイチである。そして、ケチ臭いのである。

昌平910事件

本校のケチ臭さは、設備を老朽化したまま使い続ける体質にも表れている。2019年9月の全館エアコン故障を、当時の同校生徒たちは相当不満に思っていたようだ。以下はWikipediaの同校ページに一時記載されていた内容である。

ある日、事件が起きた。 
36度の猛暑の中、空調機故障によりエアコンがつかず授業を続行し続けた結果、多くの人が体調不良を訴えた。 しかし、あまりにも人が多かった為、その人を返してしまう始末があった。 結局何度も繰り返される職員会議の末、5限終わりの下校となった。  昌平生達はこれを 「昌平910事件」と名付けられた。

「昌平中学・高等学校」の版間の差分 - Wikipedia

*2019年9月10日に冷房装置が前日の台風によって故障した。そして当日は、気温が35度を超える猛暑日であった。しかし、学校側は通常授業を強行しようとし、多数の急病人を出す結果となった。
同校の生徒からは「昌平910事件」と呼ばれている。

*2019年9月11日 前日に発生した冷房装置の故障が11日にまで治らないにもかかわらず、学校側はギリギリまで判断を延ばした。結局、判断が下されたのは殆どの生徒が通学途中の7時10分ごろであった。
同校の生徒からは「昌平911事件」と呼ばれている。

「昌平中学・高等学校」の版間の差分 - Wikipedia

このときのエアコン故障のせいで、休校措置がとられたようだ。さすがに翌年までに修繕されたとのことだが、この空調はいつから、もしかして1979年の開校時から、使われていたのだろうか。

ところで、この全館空調は、専任教職員が集まる職員室でも非常勤講師が机を置く各教科講師室でも、同様に使われていたのだろうか。もし、専任教職員だけは別系統の空調があったのだとしたら、そこには専任教職員と非常勤講師との差別があったのではあるまいか。

昌平 (5): 過去の不祥事

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昌平中高の外観(Wikipediaより拝借)

埼玉県北葛飾郡杉戸町に所在する同高校のサッカー部が、令和6年度(2024年度)全国高校総体(インターハイ)で初優勝した。

いい機会なので(?)同校の過去の不祥事を思い出しておこうと思う。

生徒の頭を丸刈りにして年賀状に

2009年3月に報じられた一件である。期末試験で男子生徒11人の不正行為(カンニング)が発覚した。この指導として36歳男性の担任教師は生徒たちの頭髪を丸刈りにしたわけだが、その際それぞれの髪を「2」「0」「0」「9」「・」「元」「旦」「う」「し」の1字になるように刈ったという。そしてそれを撮影して年賀状に印刷し、学級の生徒40人に送ったとのこと。

◎参考リンク

2024年のこんにち的な感覚で言えば、生徒の頭髪を無理矢理切ったり刈ったりすることはれっきとした体罰である。また、その醜態や、不正行為を働いて処分されたことを第3者に晒されたり知らしめられたりすることは、明らかにハラスメントである。

生徒がいない教室で模擬授業の強要

続いて、同じく2009年6月に報じられた一件である。同校国語科教諭の今村寛氏(当時49歳)が学校側が根拠を示さずに、授業力不足を理由に1年間の特別研修をさせるのは退職強要だとして、運営法人にたいしこの研修の停止などを求める仮処分をさいたま地裁に申し立てた。この特別研修では、生徒がいない教室で副教頭など管理職員の前で模擬授業をさせられたという。

今村氏は同校に1985年から勤務していたベテラン教員であったが、センター試験レベルの「授業力確認テスト」で200点満点中112点であったり、生徒を対象にしたアンケートで平均点より1点足りなかったことなどを理由に、この研修を受けるように指示されたとのこと。

コチラのブログによれば今村氏は「野球部、ソフトテニス部、軽音楽部の指導や生徒会、文化祭の指導、同窓会などを通じた地域交流などの、いわば「余計」というか「妙味」というような部分で尽力して来た」そうで、つまり授業で実力を発揮してきた教員ではなかったようである。

授業力や、それを裏支えする基礎学力が不足する教員が授業をすることは、それを聞くことになる生徒たちにとっては不幸であることは間違いない。だから今村氏が授業から外されることは合理的である。しかし学校(というか運営法人)はそのやり方をしくじり、裁判沙汰になり、マスコミに報道されるところとなってしまったのである。

この特別研修と裁判は今村氏にも大きな心労を与えたのであろうか。今村氏は2015年11月に亡くなっている。

◎参考リンク

総括

生徒指導と称して生徒の頭を丸刈りにする教員にしても、授業力がない教員にしても、当時の同校には教員として不適格な人物が勤めていたと総括せざるをえない。他方で、特に特別研修を退職強要だとして裁判を起こされた件については、運営法人と管理職のガバナンスが甘かったと言える。しかもこの2件は同じ2009年に露見している。短期間に不祥事が湧いて出る学校の管理体制は問われるべきであっただろう。

さて2024年に至って、本校のガバナンスは改善したであろうか。

国際学院 (2)

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国際学院の外観(Wikipediaより拝借)

いささか旧聞に属するが、埼玉県北足立郡伊奈町に所在する同中学校が今年度(2024年度)以降の生徒募集を停止した。2013年の開校であるから、わずか10年で撤退である。同校ウェブサイトによれば、理由は以下の通りである(強調は引用者による)。

生徒募集の面では、入学定員を充足できない状態が開校以来続いており、様々な施策を講じてまいりましたが、生徒数増加は堅調ではありませんでした。本校を取り巻く環境としても、県内及び近隣地区における児童人口が減少していく中であり、現状のまま中学校を維持することは困難であり、当面、令和5年度以降の生徒募集を停止するとの苦渋の決断に至りました。

web.archive.org

遡ること7年前、2017年にすでに拙は同校の中学設置に疑問を呈していた(コチラ)。理由はもちろん、生徒募集が初年度からうまくいっていなかったからである。

教育ジャーナリストの梅野弘之氏によれば、埼玉県内私立中学校のなかで2023年度に募集定員を充足したのは31校中13校だという(コチラを参照)。最近は公私問わず中高一貫校が増えており、ブームの様相を呈しているが、他方で生徒募集に苦労している中学校は明らかに多いのである。今後も生徒募集をやめる私立中学は出てくるであろう。

おかやま山陽

前回の投稿が21年8月21日、ほぼ2年前である。「隔年刊」は英語で"biennial"というそうだが、2年間もブログを放っておかなければ、知る由もなかった単語である。

閑話休題

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3f/%E3%81%8A%E3%81%8B%E3%82%84%E3%81%BE%E5%B1%B1%E9%99%BD%E9%AB%98%E6%A0%A1.JPGおかやま山陽の外観(Wikipediaより拝借)

表題の学校は岡山県浅口市に所在する私立共学高校である。今夏(2023年)の「全国高等学校野球選手権大会」(夏の甲子園大会)には本校野球部が岡山県代表として出場した(準々決勝まで進出し、ベスト8)。

同部監督の堤尚彦氏は異色の経歴の持ち主で、青年海外協力隊員としてジンバブエで2年間、ガーナで1年滞在して野球の普及に尽力した。福岡県のスポーツマネジメント会社でプロゴルファー・諸見里しのぶ選手のマネジメントなどに従事したのち、2006年より本校に勤務し、同部監督に就任した。なお諸見里選手は本校卒(2002-2004)である。

この異色の半生を書き下ろした著書が今年7月に出版され、売れ行きは好調だという。斯く言う拙も早速購入して読了した。

hochi.news

上記リンク先の魚拓はコチラ

堤氏が本校野球部監督に着任したきっかけは、前任の池村英樹氏(2014年に43歳で死去)が2005年11月、部内での体罰や裸ランニングの強要で逮捕されたからだ(コチラを参照)。その後堤氏は2017年夏に初めて「甲子園」に出場し、翌18年「春の甲子園」(選抜高等学校野球大会)にも出場を果たした。

焦点を池村氏に移す。池村氏は2000年に監督として沖縄県那覇高校野球部を「夏の甲子園」へと導く。同校初の「甲子園」であった。左利きの三塁手や捕手を擁し、「ダンゴムシ打法」の代打切り札など、かなり印象的なチームであったようだ。

元々教員免許を持たない外部指導員であった池村氏は同年度限りで那覇高を去った。このときの退任には納得していない部員もいたようだが、「那覇時代を知る保護者の一人は『野球に関する情熱はすごいが、野球以外のことは知らない。大人としての対応ができない』」(引用元は直前のリンクと同じ、強調は引用者)という意見もあったようなので、指導者として難がある人物であったように思われる。

池村氏が再度、衆目を集めるのは2013年のドキュメンタリー番組「ホームレス理事長」内においてだ。同氏は高校を中退した元球児たちを支援するNPO法人「ルーキーズ」で野球の指導をしていた。同番組内で池村氏は問題行動を起こした少年に9発のビンタを放ったそうだ(コチラを参照)。

体罰の良し悪しは是非に及ばず。強調したいのは、一度体罰で逮捕までされた野球指導者が、結局体罰を介したコミュニケーションしか取れない人物であった、ということである。

堤氏は前述の著書において「甲子園ではなく、野球を愛している」と豪語している。ゆえに自身が指導者として甲子園大会に出場することも、野球を世界に普及させ、後世に残すための手段であると断じて憚らない。

堤氏も池村氏も、こと野球にかんしては両極端に振れた非常識な指導者である。そんな「野球バカ」がおかやま山陽高校野球部という交差点でニアミスしたことがとても興味深い。

なお没年から計算して、池村氏は1970-71年ごろの生まれで、存命ならば51-52歳くらいだろう。堤氏も1971年生まれである。両極端な野球指導者がほぼ同年代ということも興味深い。

校歌が日本語以外の一条校

 

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京都国際の校舎(同校Facebookより)

京都市の京都国際は前身が京都韓国中高であり、その校歌の歌詞が全編「朝鮮語」ということで話題になっている*1

www.youtube.com

他にも日本国内の一条校で、全編で日本語以外の言語で書かれた歌詞を持つ学校を探してみた。

まずは東京都の国際基督教大学高校である。作詞は同校卒業生の奈良橋陽子氏、作曲は「ゴダイゴ」のタケカワユキヒデ氏である(タケカワ氏自身は県立浦和高校卒)。奈良橋氏とタケカワ氏のコンビは、当時としては珍しかった全編英語詞の"Monkey Magic"(1979年)を作曲している。

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滋賀県近江八幡市中高一貫校近江兄弟社も全編英語詞の校歌を持つ。アメリカ出身の創立者、建築家にしてキリスト教伝道者のウィリアム・メレル・ヴォーリズが作詞をした。

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京都市に本部を置く学校法人同志社傘下の学校は幼稚園から小中高、大学に至るまで全て"College Song"(カレッジソング)という全編英語詞の校歌を歌う。作詞は前述の近江兄弟社創立者であるヴォーリズである。

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ここまで紹介した学校は、いずれもキリスト教というバックボーンを持つ。同じキリスト教系でもフランス系カトリック校の暁星(東京都)では校歌は日本語であったが、この校歌ができるまではフランス国歌の「ラ・マルセイエーズ」を歌っていたようだ。

変わったところでは、三重県津市の2017年に開校した小中一貫校、みさとの丘学園の校歌は3番の歌詞が英語である。英語教育の充実を学校経営の目標として掲げていることの表れのようだ。全編英語詞というわけではないが、変わり種として紹介しておこう。

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*1:ここで指す「朝鮮語」という言語は、朝鮮半島で広く使われている言語のことである。拙が、特定の国家がその言語を排他的に占有している、と認識しているわけではないことを強調しておく。

京都国際 (2)

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京都国際の校舎(同校Facebookより)


ryusuke.hatenablog.com

2017年の4月に書いた本校の記事が、時折インターネット検索からアクセスされる回数が増える。

最初は2019年夏の第101回「全国高等学校野球選手権大会」(いわゆる「夏の甲子園」)の京都大会で本校野球部が準優勝したときであった(優勝は立命館宇治)。更に2021年春の第93回「選抜高等学校野球大会」(いわゆる「春の甲子園」「センバツ」)で近畿地区代表として春夏通じて甲子園初出場したときもアクセス回数が急上昇した。

そして今年(2021年)の第103回「夏の甲子園」に初出場した。これのお陰か、現在も同記事へのアクセスが増えている。8月19日(木)の2回戦で群馬県代表の前橋育英を破り、3回戦進出を決めた。

高校では全校生徒の約4割が野球部員

本校が少人数制を採用していることは先の記事のときから変わりはない。同校の入試要項(リンク先はpdfファイル)によれば、1学年の募集定員が中学で30人、高校で50人である。

もっとも、慢性的な定員割れが続いているようである。中学の生徒数は中1が7人、中2が5人、中3が8人の計20人。高校は高1が44人、高2が52人、高3が40人の計136人(中学ではコチラ、高校ではコチラを参照、いずれも2021年5月現在)。にもかかわらず、野球部員が今夏の甲子園大会の時点で54人いるようなので(コチラを参照)、高校生徒の約4割が野球部員ということになる。

上掲の入試要項によれば、野球部への加入を希望する「運動能力優秀者」を受け入れる特待制度があるという。本校が野球部強化に注力していることは間違いないようだ。

特定の運動部員が異常に多いという高校は珍しくはない。当ブログでも取り上げたことのある、昨夏(2020年)に新型コロナウイルス感染症の集団感染を引き起こして批判された立正大学淞南高も同様である。

個人的には、運動部(というか部活動)頼りの学校経営を好ましいとは思っていない。大阪府PL学園の例が物語るように、特定の部活動で生徒集めができなくなると、学校は直ちに傾く。何よりも部活動は課外であり、学校の存する主たる目的では決してない。

小牧監督と野球部との奇縁

同野球部は99年に創部され、同年の「夏の甲子園京都府大会に初出場した。初戦で対戦したのは強豪の京都成章で、34対0で完敗した。このとき1年生ながらレギュラーとして出場していたのが、現在本校野球部で監督を務める小牧憲継氏である。縁は異なものである(コチラを参照)。

小牧氏は大学生のときから本校野球部の指導に関わっていたそうだ。07年4月から正式にコーチとなり、翌08年4月から監督に就任した。いわば小牧氏が15年近くかけて、ほぼイチからチームを育て上げたと言えそうである。