「最低限度の生活」のために25歳は年270万円の収入が必要

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news.careerconnection.jp

本稿は私学教員の待遇とは直接には関係がない。

札幌市、すなわち地方都市で25歳の人が「健康で文化的な最低限度の生活」を送るためには、月収(税込)で約22万円必要だという記事を見つけた。25歳といえば、最短で大学院修士課程を終えた人が就業する年齢である。

この記事の元となっているのは、札幌市で一人暮らしをしている10~30歳代の若者を対象にした、北海道労働組合総連合(道労連)の調査である(但し、道労連のサイトでは「25歳」とは限定されていなかった)。それによれば、「最低限度の生活」を送るために若者には年額で約270万円(≒22万円×12か月)が必要であるという。

当ブログにおいて各校の新卒者の給与月額を紹介しており、それらは安くても20~22万円程度である。他方、ほとんど全ての私学において常勤教員には賞与も支給されているので(そう信じたい)、どの常勤教員も受け取る給料の総額は270万円をゆうに超えるはずである(重ねて、そう信じたい)。

さて思い返すに、大学院修士修了の筆者が20歳代後半で「埼玉県で一番給料が安い私学」で非常勤講師をしていたときは、月額で20万円もらっていなかった。もちろん賞与もなかった。しかもそこで3年も働いてしまった。

教員1年目で今の職場に移れたとも思えず、そこでの経験があったから今があるのは確かではあるが、往時同僚に「どこでもいいから早く常勤になれ」と度々アドヴァイスされていたのを思い出す。今にして思えば、非常勤では「健康で文化的な最低限度の生活」を送る収入に達していなかったのだ。